お客様への電話・SMSを個人のスマホ電話帳に頼らない|会社の顧客情報から発信

「代車の件でお客様に折り返して」「納車の時間を連絡しておいて」。整備工場や車販店では、こうした連絡を社員が自分のスマートフォンからかけていることがよくあります。お客様の番号は、気づけば個人の電話帳に何十件、何百件と登録されています。この記事では、お客様への電話・SMSを個人のスマホ電話帳に頼る運用のどこに問題があるのかを、個人情報保護法の条文と個人情報保護委員会のガイドラインで確かめながら整理し、会社の顧客情報から発信する方法を紹介します。

お客様への電話を個人のスマホ電話帳に頼る運用が広がる理由

個人のスマートフォンからお客様に連絡する運用は、誰かが決めたというより、便利だから自然に広がったものがほとんどです。事務所の固定電話は受付の近くにあり、作業場や外出先からは使えません。お客様の番号は事務所のパソコンに入っていますが、外から確かめるには事務所に電話して聞くしかない。そこで、一度かけたお客様の番号を自分の電話帳に登録しておく、という流れが生まれます。

お客様の側も、担当者の携帯に直接かければ話が早いので、この運用を歓迎することがあります。営業担当や整備の担当者が「お客様は自分についている」と感じやすいのも、この形です。ただ、会社から見ると、お客様との連絡の窓口が社員個人の端末の中にあり、会社では把握できない状態になっています。

個人のスマホ電話帳にお客様の番号がたまる仕組み

整備工場や車販店で、お客様の電話番号が社員個人のスマートフォンの電話帳にたまっていくのは、作業場や外出先から事務所の顧客情報を確かめる手段がないためです。固定電話は受付にあり、顧客情報は事務所のパソコンの中にあるので、外から連絡するには一度事務所に電話して番号を聞く必要があります。その手間を省くために、一度かけた番号を自分の電話帳に登録する運用が自然に広がります。便利です。ただ、お客様との連絡の窓口が会社から見えない場所に移っていく点に問題があります。

個人のスマホ電話帳に顧客情報を入れるリスク

個人の電話帳にお客様の番号が入っていることで起きる問題は、大きく3つあります。

退職・異動で顧客情報が会社の外に残る

社員が退職しても、番号は消えません。個人のスマートフォンに登録したものだからです。会社としては、どのお客様の番号が誰の端末に何件入っているかも分からないので、消してもらうよう頼むこともできません。同業に転職した元社員がお客様に直接連絡する、という事態も、仕組みとしては防げない状態です。

端末の紛失やアプリへの電話帳の共有

個人のスマートフォンは、業務用の端末のように管理されていません。画面ロックをかけていない、家族が触る、といったことも起こりえます。スマートフォンのアプリの中には、電話帳へのアクセスを求めるものがあり、許可すると電話帳の情報がアプリの提供者に送られる場合があります。社員が自分の判断で許可したアプリを通じて、お客様の番号が会社の知らないところへ渡る可能性があります。

誰がいつ連絡したかが会社に残らない

記録も残りません。個人の携帯からかけた電話は、会社のどこにも跡がないからです。お客様から「先週、電話で納車日を聞いた」と言われても、誰が何を伝えたのか会社では確かめられません。担当者が休みの日に問い合わせがあっても、前回のやり取りが分からず、お客様に同じことを聞き直すことになります。

起きること会社への影響
退職した社員の端末に顧客の番号が残る消去を確認できない。顧客情報の管理が会社の手を離れる
個人端末の紛失・盗難どのお客様の情報が入っていたか把握できない
アプリに電話帳の閲覧を許可する会社の知らないところへ顧客の番号が渡るおそれ
個人の携帯から連絡する連絡の履歴が会社に残らず、引き継げない

個人情報保護法から見たお客様の電話番号の扱い

整備工場や車販店がシステムや台帳で管理しているお客様の氏名・電話番号は、個人情報保護法でいう「個人データ」に当たるのが普通です。法律が事業者に求めていることのうち、電話連絡に関係するものを条文から確かめておきます。

条文内容(要旨)電話・SMS連絡での意味
第17条(利用目的の特定)個人情報を取り扱うに当たっては、利用目的をできる限り特定しなければならない点検の案内、納車の連絡など、何のために連絡先を使うかを決めておく
第18条(利用目的による制限)あらかじめ本人の同意を得ないで、利用目的の達成に必要な範囲を超えて個人情報を取り扱ってはならない整備の連絡のために預かった番号を、目的の範囲を超えて使わない
第23条(安全管理措置)個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない顧客の番号が入った端末や台帳の管理を会社として行う
第24条(従業者の監督)従業者に個人データを取り扱わせるに当たっては、必要かつ適切な監督を行わなければならない社員が顧客の番号をどう扱っているかを会社が把握する

個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)は、安全管理措置の中で、従業者に個人データの適正な取扱いを周知徹底し、適切な教育を行うことを求めています。中小規模事業者の手法の例としては、個人データの取扱いに関する留意事項について定期的な研修等を行うことや、秘密保持に関する事項を就業規則等に盛り込むことが挙げられています。物理的安全管理措置としては、個人データを取り扱う機器や書類等の盗難又は紛失等を防止するための適切な管理も求めています。

個人のスマートフォンに顧客の番号を入れること自体を禁じる条文があるわけではありません。ただ、どの端末に何件入っているか分からない状態では、第23条の安全管理措置や第24条の従業者の監督を会社として果たしているとは言いにくくなります。具体的にどこまでの措置が必要かは事業の規模や扱う情報で変わるので、個人情報保護委員会のガイドラインを確認してください。

顧客の電話番号と個人情報保護法の安全管理措置

整備工場や車販店が管理しているお客様の氏名・電話番号は、通常、個人情報保護法の「個人データ」に当たります。同法第23条は個人データの漏えい等を防ぐ安全管理措置を、第24条は従業者に個人データを扱わせるときの監督を事業者に求めています。第17条・第18条により、連絡先は特定した利用目的の範囲で使う必要もあります。社員個人のスマートフォンに顧客の番号が散らばり、どの端末に何件あるか分からない状態は、会社としてこれらの措置を果たしにくい形です。連絡先を会社の顧客情報に一元化しておくと、管理と監督の範囲がはっきりします。

お客様への電話・SMS連絡を会社の顧客情報からかける方法

個人の電話帳に頼らない連絡のやり方は、いくつかあります。工場の規模や、外から連絡する頻度に合わせて選びます。

方法よいところ限界
連絡はすべて事務所の固定電話からかける番号が会社の外に出ない作業場や外出先からは連絡できない。折り返しが遅れる
会社支給の携帯電話を持たせる会社が端末を管理できる支給した端末の電話帳に結局手で登録することになりやすい
事務所に電話して番号を聞く顧客情報は事務所に置いたまま確認のたびに事務員の手が止まる
システムの顧客情報を外から検索して発信する電話帳に登録せずに済む。番号は常に最新端末の画面ロックなどのルールは別に要る

ルールは共通です。

  1. お客様の番号を個人の電話帳に登録しない(登録済みのものは整理する)
  2. 業務で使うスマートフォンには画面ロックをかける
  3. 連絡した内容は、会社の顧客情報やメモに残す
  4. 退職・異動のときに、業務で使った端末やアカウントの扱いを確認する
  5. SMSで送る文面は、会社で決めた例文をもとにする

5番目のSMSは、電話に出られないお客様への連絡手段として便利ですが、担当者ごとに文面がばらつくと、お客様に会社からの連絡だと伝わりにくくなります。車検や点検の案内、納車の連絡などで使う文面は、自動車業界のSMS例文・テンプレート集のような例文をもとに会社で決めておくと揃えやすくなります。

個人の電話帳に頼らずにお客様へ連絡するためのルール

整備工場や車販店がお客様への電話・SMSを個人の電話帳に頼らずに行うには、連絡先を会社の顧客情報に一元化し、そこから発信する形にします。決めておきたいルールは、お客様の番号を個人の電話帳に登録しない、業務で使うスマートフォンに画面ロックをかける、連絡した内容を会社の記録に残す、退職・異動時に端末とアカウントを確認する、SMSの文面は会社の例文をもとにする、の5つです。固定電話だけに戻すと外から連絡できなくなるので、外からでも会社の顧客情報を検索して発信できる仕組みを用意すると、ルールが守られやすくなります。

スマホで車歴で、会社の顧客情報から電話・SMSを発信する

整備システム・整備ソフト DREAM POWER を使っている整備工場・車販店なら、スマホで車歴で、会社の顧客情報からお客様に電話やSMSを送れます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録してある顧客・車両・車歴を、スマートフォンやタブレットのブラウザで閲覧できる仕組みです。

  • 整備システムに登録されているお客様を検索して、すぐに電話を発信できます
  • 手動で電話帳に登録する必要がありません(発信はスマートフォンの電話機能を使います)
  • お客様の電話番号の確認、発信、SMS送信ができます
  • 登録した部品商にも電話を発信できます
  • ソフトやアプリのインストールは要らず、複数の端末で同時に閲覧できます

番号のもとが会社の顧客情報なので、事務所でお客様の電話番号を直せば、同期のあとはスマートフォンからも新しい番号が見えます。データは1日1回自動で同期され、急ぐときは「データ同期開始」ボタンで当日の内容を反映させられます。

限界もあります。発信はスマートフォンの電話機能を使うので、かけた番号は端末の発信履歴には残ります。業務で使うスマートフォンの画面ロックや紛失時の連絡ルールは、別に決めておく必要があります。また、スマホで車歴は閲覧のみで、連絡した内容をスマートフォンから顧客情報に書き込むことはできません。やり取りの記録は事務所で残します。端末のルールの作り方は業務用ノートパソコンを持ち出すときのセキュリティルールも参考にしてください。

引き取りや納車の前に住所や地図を確かめる使い方は引き取り・納車のときに確認すること、外出先から見積まで作りたい場合のお出かけDPとの違いは外出先から整備システムを使う方法で書いています。

スマホで車歴でお客様に電話・SMSを送る仕組み

スマホで車歴は、整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録してある顧客・車両・車歴を、スマートフォンやタブレットのブラウザで閲覧する仕組みです。登録されているお客様を検索して、その画面から電話の発信やSMSの送信ができるので、お客様の番号を個人の電話帳に手で登録する必要がなくなります。発信はスマートフォンの電話機能を使うため、端末の発信履歴には番号が残ります。画面ロックなど端末のルールは別に決めておきます。閲覧のみの仕組みなので、連絡した内容の記録は事務所の整備システムで残します。

よくある質問

社員の個人スマートフォンにお客様の番号を入れることは、法律で禁止されていますか?
個人情報保護法に、個人の端末への登録そのものを禁じる条文はありません。ただし、第23条の安全管理措置や第24条の従業者の監督を事業者に求めているので、どの端末に何件入っているか分からない状態は避けるべきです。必要な措置の範囲は、個人情報保護委員会のガイドラインで確認してください。
すでに個人の電話帳に入っているお客様の番号はどうすればよいですか?
会社の顧客情報から発信できる手段を用意したうえで、社員に登録済みの番号を整理してもらいます。退職時に業務で使った連絡先の扱いを確認する手順も、就業規則や社内ルールに入れておくと安心です。
スマホで車歴でSMSを送ると、送った内容は会社に残りますか?
スマホで車歴は閲覧のみの仕組みで、スマートフォンから顧客情報に書き込むことはできません。送信はスマートフォンの機能を使うため、送った内容を会社で残したい場合は、事務所の整備システムにメモとして残す運用にします。
自動車整備システムを選ぶとき、顧客への連絡の面で見ておくことはありますか?
顧客情報を外から検索できるか、電話番号を電話帳に登録せずに発信できるか、閲覧だけか入力までできるかを確認します。整備システム リースなしで月払の製品かどうかといった契約の条件は、各製品の公式案内で確かめてください。整備システム・整備ソフト DREAM POWER の条件は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の紹介ページで案内しています。
スマホで車歴で、お客様の住所や地図も確かめられますか?
確かめられます。外出時に顧客の住所・地図・ルートを確認する使い方ができます。保有車両や残高の確認もできるので、引き取りや納車の前の確認にも使えます。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月8日時点で公表資料を確認したものです。機能・提供内容は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の更新で変わることがあります。

整備システムを、事務所の外でも。

スマホで車歴なら、顧客・車両・整備履歴をスマートフォンやタブレットでいつでも確認できます。お出かけDPなら、ノートパソコンを持ち出して、お客様先でもいつもどおり見積まで作れます。料金は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の案内ページか資料請求でご確認ください。

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