本社工場のほかに鈑金の工場がある、車販の展示場と整備工場が離れている、2店舗目を出した。拠点が2つ以上になると、「このお客様、前はどっちの工場で何をしたんだろう」という確認が毎日のように出てきます。この記事では、複数の工場・店舗で整備履歴を確かめる方法と、それぞれの限界を整理します。後半では、整備システム・整備ソフト DREAM POWER の「スマホで車歴」で別の工場から履歴を閲覧する方法と、外出用のオプション「お出かけDP」では対応できないことも、あわせて説明します。
複数の工場・店舗で整備履歴を見たくなる場面
拠点が分かれていると、お客様は自分の都合のよいほうに来ます。家から近い店舗にオイル交換に来て、車検は設備のある本社工場へ。事故のときは鈑金の工場へ。会社にとっては同じお客様でも、記録は拠点ごとに分かれがちです。
- 本社工場で整備しているお客様が、2店舗目にふらっと立ち寄って相談したとき
- 鈑金の工場に入った車について、本社工場での整備の内容を確かめたいとき
- 社長や工場長が別の工場にいるときに、お客様から電話で問い合わせがあったとき
- 応援で別の工場に入ったメカニックが、その車の前回の作業を知りたいとき
- 車販の展示場で、下取り車の整備の記録を確かめたいとき
どの場面でも、知りたいのは「その車に前回何をしたか」です。それが分からないと、お客様に同じことを聞き直したり、前回と違う説明をしてしまったりします。お客様から見れば同じ会社なのに話が通じない、という不信感につながりかねません。
複数拠点で整備履歴が分かれると起きること
整備工場や車販店が2拠点以上になると、同じお客様が拠点ごとに別の作業を依頼するため、整備履歴が拠点ごとに分かれやすくなります。本社工場で車検、近くの店舗でオイル交換、鈑金工場で事故修理、という使い分けは珍しくありません。別の拠点で前回の作業が分からないと、お客様に同じことを聞き直す、前回と違う説明をする、といったことが起き、同じ会社なのに話が通じないという不信につながります。どの拠点からでも同じ履歴を確かめられるようにしておくことが、多店舗運営の基本になります。
別の工場から整備履歴を確かめる方法と限界
別の工場にいるときに履歴を確かめる方法は、いくつか考えられます。よく使われている方法と、その限界を並べます。
| 方法 | よいところ | 限界 |
|---|---|---|
| 履歴がある工場に電話して調べてもらう | 正確な記録を見られる | 相手の工場の手が止まる。営業時間外や休業日は確認できない |
| 伝票の控えを紙やファクスで送ってもらう | 手元に記録が残る | 時間がかかる。顧客情報の紙が拠点間を行き来する |
| 共有フォルダに伝票のファイルを置く | どこからでも開ける | ファイルを置き忘れると最新にならない。探すのに時間がかかる |
| 拠点ごとに別の整備システムを使う | 拠点内では完結する | 履歴が拠点ごとに分断され、顧客を突き合わせられない |
| 担当者の記憶や個人のメモ | 最速 | 担当者がいないと分からない。正確さに欠ける |
電話で聞く方法は手軽ですが、確認のたびに2つの工場で手が止まります。繁忙期は、相手の工場も電話を受ける余裕がなく、折り返しを待つことになりがちです。紙やファクスで伝票を送る方法は、顧客の情報が書かれた紙が拠点間を行き来するので、誤送信や置き忘れにも気を配る必要があります。
拠点ごとに別々のシステムを使っている場合は、もう一段難しくなります。お客様の名前の表記ゆれや、車両の登録のしかたの違いで、同じお客様だと突き合わせること自体が手間になります。2店舗目を出すときは、記録をどこに置き、どの拠点から見るのかを最初に決めておくと、後から統合する手間を避けられます。
複数拠点で整備履歴を共有するときに決めておくこと
道具を選ぶ前に、拠点間で何をどこまで共有するかを決めておくと、運用がぶれません。特に決めておきたいのは次の点です。
- 整備履歴の「正」をどこに置くか(どの拠点のどのシステムを元にするか)
- 別の拠点では「見るだけ」でよいのか、「入力もしたい」のか
- 同じお客様を拠点間で突き合わせるときの登録ルール(氏名の表記、車両の登録のしかた)
- 当日の作業が別の拠点から見えるまで、どのくらいの時間差を許すか
- 誰がどの拠点の情報を見てよいか(顧客情報を見る人の範囲)
2番目の「見るだけか、入力もするか」は、選ぶ道具を大きく分けます。別の工場で履歴を確かめてお客様に説明できれば足りるのか、別の工場でも作業を受け付けて伝票を起こしたいのか。前者なら閲覧の仕組みで足ります。後者は、拠点ごとのシステムの構成そのものの話になるので、使っている整備システムの販売元に相談するのが近道です。
5番目の閲覧範囲も見落とされがちです。お客様の氏名や電話番号は個人情報なので、拠点が増えて見る人が増えるほど、誰がどこまで見てよいかを決めておく意味が大きくなります。退職した社員のログイン情報を止める手順も、あわせて決めておきます。
複数拠点で整備履歴を共有する前に決める5つのこと
複数の工場・店舗で整備履歴を共有するときは、道具を選ぶ前に5つを決めておきます。履歴の元をどの拠点のどのシステムに置くか、別の拠点では見るだけか入力もするか、同じお客様を突き合わせるための登録ルール、当日の作業が別の拠点から見えるまでの時間差をどこまで許すか、顧客情報を見てよい人の範囲です。このうち「見るだけか、入力もするか」で必要な仕組みが大きく変わります。見るだけなら閲覧の仕組みで足り、入力もしたい場合は整備システムの構成の相談になります。
スマホで車歴で別の工場から整備履歴を閲覧する
整備システム・整備ソフト DREAM POWER を使っている会社なら、別の工場にいるときに整備履歴を「見る」方法としてスマホで車歴があります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録してある顧客・車両・車歴(整備履歴)を、スマートフォンやタブレットのブラウザで閲覧できる仕組みで、別の工場にいるときに整備履歴を確認する、という使い方は公式の案内にも挙げられています。
- サイトにアクセスしてログインするだけで、ソフトやアプリのインストールは要りません
- スマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンのブラウザでも閲覧できます
- 整備システム・整備ソフト DREAM POWER がインストールされていないパソコンでも閲覧できます
- 複数の端末で同時に閲覧でき、台数の制限はありません
- 24時間365日閲覧できます(メンテナンス時間等を除く)
たとえば、本社工場の整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録した履歴を、2店舗目の受付のパソコンや工場長のスマートフォンから閲覧する、という使い方になります。お客様が2店舗目に立ち寄ったときも、本社工場に電話せずに、前回の作業や使った部品、保有車両を確かめて話を進められます。
使う前に知っておきたい点もあります。閲覧のみで、編集や追加はできません。顧客・車両・車歴以外の情報は表示されません。データの同期は1日1回自動で行われるので、本社工場で今日入力した作業が別の工場から見えるのは、原則として同期のあとです。急ぐときは「データ同期開始」ボタンで当日の内容を反映させます。使い始める前に、整備システム・整備ソフト DREAM POWER が入っているパソコン(親機)で最初に1度だけ初回設定が必要です。
スマホで車歴で別の工場から整備履歴を見る
スマホで車歴は、整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録してある顧客・車両・車歴を、スマートフォン・タブレット・パソコンのブラウザで閲覧する仕組みで、別の工場にいるときに整備履歴を確かめる使い方ができます。整備システム・整備ソフト DREAM POWER がインストールされていないパソコンでも閲覧でき、複数の端末で同時に、台数の制限なく使えます。閲覧のみで編集や追加はできず、データは1日1回自動で同期されます。別の拠点では見て説明できれば足りる、という会社に向いた方法です。
お出かけDPと別拠点での常時利用の制約
整備システム・整備ソフト DREAM POWER には、外出先で使うためのオプションとしてお出かけDPもあります。整備システム・整備ソフト DREAM POWER がインストールされたノートパソコンを、VPNの暗号化通信でそのまま外へ持ち出して、営業先・出張先・お客様先で見積作成まで行えるものです。
ここで注意したいのは、お出かけDPを使って、別拠点用の整備システム・整備ソフト DREAM POWER として常時利用することはできない、という点です。お出かけDPは外出先で使うためのオプションで、拠点間での常時利用を目的とした使い方には対応していません。2店舗目に1台ノートパソコンを置いて、お出かけDPで毎日本社につないで使う、という運用は想定されていません。
| やりたいこと | 使う方法 |
|---|---|
| 別の工場で、お客様の整備履歴を見て説明する | スマホで車歴(閲覧のみ) |
| 営業先・お客様先で、その場で見積を作る | お出かけDP(外出先での利用) |
| 別の拠点でも毎日伝票を起こして入力する | お出かけDPは使えない。拠点の構成を日本カーネットに相談 |
別の拠点でも入力まで行いたい場合の構成や費用は、拠点の数や使い方によって変わります。製品の詳しい案内は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の紹介ページを確認し、日本カーネットに相談してください。外出先での2つの方法の違いは外出先から整備システムを使う方法、スマホで車歴の基本的な使い方は整備履歴(車歴)をスマホで確認する方法、履歴を提案につなげる方法は整備履歴(車歴)を提案に活かす方法で書いています。
お出かけDPとスマホで車歴の拠点間での使い分け
整備システム・整備ソフト DREAM POWER のお出かけDPは、インストール済みのノートパソコンをVPNで外へ持ち出し、営業先・出張先・お客様先で見積作成まで行うためのオプションです。別拠点用の整備システム・整備ソフト DREAM POWER として常時利用することはできず、拠点間での常時利用を目的とした使い方には対応していません。別の工場で整備履歴を見るだけなら、スマホで車歴を使います。別の拠点でも入力まで行いたい場合は、拠点の構成として日本カーネットに相談します。
よくある質問
- 2店舗目を出すとき、整備履歴はどう分けるのがよいですか?
- 履歴の元をどこに置くかを最初に決め、別の拠点では見るだけか入力もするかを決めます。拠点ごとに別々のシステムで始めると、後から同じお客様を突き合わせる手間がかかります。
- お出かけDPを使えば、2店舗目でも整備システムを毎日使えますか?
- 使えません。お出かけDPは外出先で使うためのオプションで、別拠点用の整備システム・整備ソフト DREAM POWER として常時利用することはできません。別の工場で履歴を見るだけならスマホで車歴、入力まで行う場合は日本カーネットに構成を相談してください。
- スマホで車歴は、別の工場のパソコンからも見られますか?
- 見られます。ブラウザで閲覧する仕組みなので、整備システム・整備ソフト DREAM POWER がインストールされていないパソコンやタブレットでも閲覧できます。閲覧のみで、編集や追加はできません。
- 本社工場で今日入力した作業は、すぐ別の工場から見えますか?
- データは1日1回自動で同期されます。当日の作業を急いで反映させたいときは「データ同期開始」ボタンを押して同期します。
- 多店舗で使う自動車整備システムを選ぶとき、何を確認すればよいですか?
- 別の拠点から履歴を見られるか、見るだけか入力もできるか、同期の間隔、閲覧できる人の範囲を確認します。整備ソフト おすすめを比べるときや、車販ソフトと整備の情報を拠点間で共有したいときも、この4点で比べると違いが分かりやすくなります。
出典・参考資料
- スマホで車歴(MobileDP)・お出かけDPの仕様(日本カーネット提供資料)
- スマホで車歴の紹介
https://mdp.j-carnet.co.jp/#mobiledp - お出かけDPの紹介
https://mdp.j-carnet.co.jp/#odekake
記載内容は2026年10月8日時点で公表資料を確認したものです。機能・提供内容は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の更新で変わることがあります。
整備システムを、事務所の外でも。
スマホで車歴なら、顧客・車両・整備履歴をスマートフォンやタブレットでいつでも確認できます。お出かけDPなら、ノートパソコンを持ち出して、お客様先でもいつもどおり見積まで作れます。料金は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の案内ページか資料請求でご確認ください。
お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00







