引き取り・納車のときに確認すること|住所・保有車両・残高をその場で

車検や点検の車をお客様の家まで引き取りに行き、作業が終わったら届ける。引き取り・納車は、来店の時間がとれないお客様にとってありがたいサービスです。そのぶん、お客様のいない場所で車を預かり、お客様の目の前で返すという、来店整備とは違う気の配り方が求められます。住所を間違える、同じ家の別の車を持ってきてしまう、預かったときの傷かどうかで揉める。この記事では、引き取り・納車のときに確認することを、出発前、引き取り時、納車時の順に整理します。後半では、住所や保有車両、残高を現場で確かめる方法も紹介します。

引き取り・納車の流れと確認のタイミング

引き取り・納車サービスは、おおむね次の流れで進みます。予約を受けて日時と場所を決め、担当者が出発し、お客様の家や事業所で車両を確かめて預かり、工場で作業をして、再びお客様のもとへ届けて精算する。確認のタイミングは、出発前、引き取り時、納車時の3回です。

タイミング主に確認すること確認を怠ったときに起きること
出発前住所と地図、訪問する車両、連絡先、お客様の要望道に迷う、別の車両を預かる、到着時間が守れない
引き取り時車両の状態、走行距離、燃料、鍵、車内の私物、書類傷や私物をめぐる行き違い、作業に必要な書類の不足
納車時作業内容の説明、交換部品、精算、次回の案内説明不足による不満、精算の漏れ、次回の入庫につながらない

3回のうち、事前の準備で防げるトラブルが一番多いのは出発前です。住所や車両の取り違えは、出発前に整備システムの顧客情報を見ておけばほぼ防げます。引き取り時と納車時の確認は、毎回同じ項目を同じ順で見られるように、チェックシートにしておくのが基本です。

引き取り・納車で確認するタイミング

整備工場や車販店の引き取り・納車サービスでは、出発前、引き取り時、納車時の3回の確認が基本です。出発前には住所と地図、訪問する車両、連絡先、お客様の要望を確かめ、引き取り時には車両の状態、走行距離、燃料、鍵、車内の私物、必要な書類を確かめ、納車時には作業内容の説明、交換部品の扱い、精算、次回の案内を行います。住所の間違いや、同じ家の別の車両を預かる取り違えは、出発前に整備システムの顧客情報と保有車両を見ておけばほぼ防げます。引き取り時と納車時の確認は、担当者によって抜けが出ないよう、毎回同じチェックシートで行うのが確実です。

出発前に確認する住所・地図・保有車両

出発前に確かめることは、行き先と預かる車両です。住所は、番地まで合っていても建物の入り口や駐車場の場所がわかりにくいことがあります。初めて行く家や、敷地の広い事業所では、地図で入り口と停める場所を見ておくと現地で迷いません。

保有車両の確認も欠かせません。家族で複数台の車を持っているお客様や、社用車を何台も預けてくれる事業所では、「今日預かるのはどの車か」を登録番号で確かめておかないと、取り違えが起きます。同じ車種の色違いが並んでいることもあります。予約の時点で登録番号を確かめ、出発前に整備システムの車両情報と照らし合わせておきます。

  • 住所と、地図上の入り口や駐車場の場所
  • 預かる車両の登録番号、車名、色
  • お客様の電話番号と、当日つながりやすい時間帯
  • 鍵の受け渡し方法(手渡しか、決まった場所に置いてもらうか)
  • 依頼内容と、前回の整備で次回すすめた作業
  • 精算の方法と、残高があるかどうか

最後の残高は、言い出しにくい項目です。前回の請求が未入金のままになっているお客様に、何も知らずに納車して新たな請求をすると、後で回収が難しくなることがあります。担当者が残高を知っていれば、納車時に精算方法を確かめたり、事務所の担当者に引き継いだりできます。売掛金の管理全体については整備工場・車販店の売掛金の管理と回収で詳しく解説しています。

出発前に保有車両を確かめる理由

引き取りの出発前に保有車両を確かめる理由は、同じお客様が持つ別の車両との取り違えを防ぐためです。家族で複数台を持つ家庭や、社用車を何台も預ける事業所では、同じ車種や似た色の車が並んでいることがあり、「家の前の白い車」といった伝え方では間違いが起きます。予約の時点で登録番号を確かめ、出発前に整備システムの保有車両の一覧と照らし合わせておけば、現地で迷いません。あわせて住所から地図で入り口と駐車場の場所を確かめ、前回の整備で次回すすめた作業や、前回の請求の残高も見ておくと、引き取りから納車までの会話がスムーズになります。

引き取り時の車両確認と預かり品の扱い

引き取り時の確認は、後で「預けたときにはなかった傷がある」と言われないためのものです。お客様が立ち会える場合は一緒に車の周りを一周し、立ち会えない場合は写真を残します。確認する項目は次のとおりです。

確認項目確認のしかた
外装の傷やへこみ四隅と各面を写真に撮る。気になる箇所は近寄って撮る
走行距離と燃料の残量メーターを写真に撮る
鍵の本数と種類預かった鍵を記録し、スペアキーを預かるかも確かめる
車内の私物や貴重品お客様に持ち出してもらうか、預かる場合は記録する
ETCカードや駐車券抜き取ってお客様に返すか、扱いを決める
車検証などの書類作業に必要な書類が車内にあるかを確かめる

写真は日付が残る形で撮り、作業の記録とあわせて保存しておきます。担当者の個人スマホで撮って、そのまま個人の端末に置いておく運用は避けたいところです。担当者が休んだ日や退職したあとに、誰も写真を出せなくなります。会社の端末で撮るか、撮った写真を会社の共有場所に移すルールを決めておきます。

引き取り時に撮っておく写真

引き取り時に撮っておく写真は、車両の四隅と各面の外装、気になる傷やへこみの近接、走行距離と燃料の残量がわかるメーターの3種類です。お客様が立ち会えない引き取りでは、預かったときの車両の状態を示せるのは写真しかなく、納車後に「この傷は預けたときにはなかった」と言われたときの判断材料になります。あわせて鍵の本数、車内の私物や貴重品、ETCカードや駐車券、作業に必要な書類の有無を確かめて記録します。写真を担当者の個人スマホに置いたままにすると、担当者が不在のときに誰も確認できないため、会社の共有場所に保存するルールを決めておくと安心です。

納車時に伝えること・精算・次回の案内

納車は、作業の結果をお客様に伝える場です。来店整備ならフロントが説明するところを、引き取り・納車では運んできた担当者が説明することになります。担当者がメカニックでない場合は、作業内容を正しく説明できるように、事前に内容を確かめておきます。

  1. 作業内容と、交換した部品を説明する(交換部品の返却を希望されていればお渡しする)
  2. 今回見送った作業や、次回交換をすすめる部品を伝える
  3. 請求内容を説明し、精算する(後日請求の場合は請求の方法と時期を伝える)
  4. 次回の点検や車検の時期を伝える
  5. 預かっていた鍵、私物、書類をすべて返したかを確かめる

精算方法は、現金、振込、キャッシュレス決済などお客様によって違います。現場でカード払いに対応できれば、未入金を減らせます。自動車業向けの決済については自動車業向けの電子決済・キャッシュレス決済も参考になります。

次回の案内は、納車の場で口頭で伝えるだけでは忘れられがちです。整備システムに次回の時期や見送った作業を入力しておけば、時期が来たときに案内を送れます。担当者が変わっても、同じ情報をもとに声をかけられます。

納車時に伝えることと次回の案内

引き取り・納車サービスの納車時に伝えることは、作業内容と交換した部品、今回見送った作業や次回交換をすすめる部品、請求内容と精算方法、次回の点検や車検の時期の4つです。来店整備ではフロントが説明する内容を、引き取り・納車では車を運んできた担当者が説明することになるため、担当者がメカニックでない場合は出発前に作業内容を確かめておく必要があります。2025年4月1日からは車検証の有効期間満了日の2か月前から車検を受けても残りの期間を失わなくなったので、次回車検の案内は満了日の2か月前を目安にすると伝えやすくなります。次回の時期や見送った作業は整備システムに入力しておけば、担当者が変わっても案内できます。

電話確認・紙の顧客台帳など他の方法と限界

引き取り・納車の担当者が外で顧客情報を確かめる方法には、いくつかあります。どの方法でも運用はできますが、それぞれ限界があります。

方法よいところ限界
事務所に電話して聞く準備が要らない事務所が忙しい時間はつながりにくい。住所の聞き間違いが起きる
予約票や顧客台帳を印刷して持つ電波がなくても見られる印刷した車両の分だけ。紛失すると住所や電話番号が外に出る
担当者の個人スマホの電話帳と地図アプリ慣れた道具で使える顧客情報が個人の端末に残る。退職後も情報が残る
カーナビに住所を入力道案内は確実保有車両や残高などの情報はわからない

特に気をつけたいのが、担当者の個人スマホにお客様の電話番号を登録する運用です。すぐに電話できて便利ですが、会社として誰がどの顧客情報を持っているか把握できなくなります。会社の顧客情報から直接発信できる仕組みがあれば、個人の電話帳に登録する必要はなくなります。この点はお客様への電話・SMSを個人のスマホ電話帳に頼らない方法でも取り上げています。

引き取り担当者が個人スマホに顧客を登録する問題

引き取り・納車の担当者が個人のスマートフォンの電話帳にお客様の電話番号を登録する運用は、すぐに電話できる代わりに、顧客情報の管理が担当者個人に移ってしまうという問題があります。会社は誰の端末にどのお客様の情報があるかを把握できず、担当者が退職したあとも情報が個人の端末に残ります。印刷した顧客台帳を持ち歩く方法も、紛失すれば住所と電話番号がまとめて外に出ます。整備システムに登録してある顧客情報から、その場で電話やSMSを送れる仕組みを使えば、個人の電話帳に登録しなくても連絡がとれ、情報は会社の管理下に残ります。

スマホで車歴で住所・保有車両・残高を現場で確認する

整備システム・整備ソフト DREAM POWER をお使いの場合は、スマホで車歴を使うと、引き取り・納車の担当者が必要な情報をスマートフォンで確かめられます。スマホで車歴は、整備システムに登録してある顧客・車両・車歴を、スマートフォンやタブレットのブラウザで閲覧できる仕組みです。

引き取り・納車の場面スマホで車歴でできること
出発前顧客の住所から地図とルートを確かめる
訪問先で車両を確かめる保有車両の一覧と、預かる車両の情報を確かめる
到着の連絡や遅れの連絡顧客の電話番号に発信、SMSを送る(スマートフォンの電話機能を利用)
納車時の説明前回までの整備履歴を確かめる
精算の前残高を確かめる

アプリのインストールは要らず、サイトにアクセスしてログインするだけで使えます。複数の端末で同時に閲覧でき、台数の制限もないので、引き取りを担当する人が何人いても使えます。電話は整備システムの顧客情報から発信するので、担当者が個人の電話帳に登録する必要はありません。

気をつけたいのは、閲覧専用で編集や追加はできないことと、データが1日1回の自動同期で反映されることです。当日入金があった場合など、急いで反映したいときは「データ同期開始」ボタンを使います。詳しい機能はスマホで車歴の説明をご覧ください。出張整備をともなう場合は出張整備の段取りと現場での確認方法もあわせて参考にしてください。

スマホで車歴で引き取り・納車の確認を行う

スマホで車歴は、整備システム・整備ソフト DREAM POWER に登録された顧客・車両・車歴をスマートフォンで閲覧できる仕組みで、引き取り・納車の担当者が出発前から精算前までの確認に使えます。出発前には住所から地図とルートを、訪問先では保有車両の一覧を、到着や遅れの連絡ではお客様への発信とSMSを、納車時には前回までの整備履歴を、精算の前には残高を確かめられます。閲覧専用のため入力はできず、データは1日1回自動で同期されます。当日の入金などを急いで反映したいときは「データ同期開始」ボタンを使います。アプリのインストールは不要で、台数の制限もありません。

よくある質問

引き取りのとき、お客様が立ち会えない場合はどうすればよいですか?
車両の四隅と各面、メーターを写真に撮り、鍵や私物、書類の有無を記録しておきます。写真は担当者の個人の端末に置いたままにせず、会社の共有場所に保存してください。
スマホで車歴で見られる残高は、いつの時点のものですか?
データは1日1回自動で同期されます。当日の入金などを急いで反映したいときは「データ同期開始」ボタンを使ってください。
引き取り・納車の担当者がメカニックでなくても使えますか?
スマホで車歴はブラウザで閲覧するだけなので、ITに詳しくない担当者でも使えます。使い始める前に、整備システムが入っているパソコン(親機)で1度だけ初回設定が必要です。
整備ソフトのおすすめを比べるとき、引き取り・納車が多い工場は何を見ればよいですか?
顧客の住所、保有車両、電話番号を事務所の外から確かめられるかを見ておくと、引き取り・納車の担当者の負担が変わります。自動車整備システムの選び方全体は整備ソフト・整備システムの選び方でまとめています。
料金はどこで確認できますか?
料金は整備システム・整備ソフト DREAM POWERのページ、または記事末のお問い合わせからご確認ください。

出典・参考資料

記載内容は2026年10月8日時点で公表資料を確認したものです。機能・提供内容は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の更新で変わることがあります。

整備システムを、事務所の外でも。

スマホで車歴なら、顧客・車両・整備履歴をスマートフォンやタブレットでいつでも確認できます。お出かけDPなら、ノートパソコンを持ち出して、お客様先でもいつもどおり見積まで作れます。料金は整備システム・整備ソフト DREAM POWER の案内ページか資料請求でご確認ください。

問い合わせ・資料請求(無料)

お電話:03-5256-7877平日 9:00〜12:00・13:00〜18:00